No.21 ニュー・シネマ・パラダイス ジュゼッペ・トルナトーレ監督

映画評論家の端くれとして、映画を観たら批評を書くという事をテーマにしてこれまでやってきたが、こういうタイプの映画は自分が語ることで、映画に対して持っている感情が損なわれてしまうように感じられるので、あまり多くを語らないほうが良いのかもしれない。ただ2,3メモを書いておくとすると、この映画を素晴らしいものにしているのは、音楽、人の心の動き、そして映画をテーマにしていることだろう。映画を観て何を思うのかは人それぞれで自由だろうが、私はこの映画を観て、大げさかもしれないが、人生を生きていくための勇気を確かに貰ったような気がする。非常に素晴らしい映画だった。

中間報告

群論への30講」を半分くらい読み終えた。今まで読んできた数学書の中では飛びぬけて分かりやすい。この本で分からないことがあるならば数学をやってはいけないといったぐらいの丁寧さでもって書かれている。入門書の入門書といった本なのでサクッと終わらせたい。ただこれから忙しくなるのが悩ましいところではある。

ファタモルガーナの館があと少しで終わりそう。詳しいことはプレイ後に書こうと思うが、素晴らしいゲームであることは間違いがない。

映画を観なくてはならない。4月はアカデミー賞の受賞作がいくつか公開されるので忘れず見に行かなくては。

 

批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義 廣野由美子著

一言で言えば、面白いけれどもただ漠然と読んでいるだけでは何も身につかない本、だと思う。間違えないでほしいのだが、この本を悪く言うつもりはなく、それどころか素晴らしい本であるといえるだろう。ではなぜ上のような評価になるかというと、作者が具体例を通して小説とは何かという事を伝えようとしているのに対して、読者はそれがフランケンシュタインのみというあまりにも具体的な状況であるがゆえに、作者がフランケンシュタインに行った解釈や読み方を、自分の頭で考えて別の作品に応用適用しなくてはならず、その努力を怠るような読者ではこの本の魅力が十分伝わらないからである。したがって何か考察したい小説を持ってきてこの本を片手に自分で読み解いていく作業を行って初めてこの本を読んだといえるかもしれない。

本の内容自体は、当たり前の解釈をしているものから、このような解釈ができるのかと思わず感嘆してしまうものまでさまざまな批評方法がその具体例とともに書かれているもので、これを読み進めていくのは楽しい作業であった。私はどちらかというと読書家という方ではなく、実は趣味である映画を解釈するときに役に立つだろうと思って文学理論についての本を最近読んでいたのだが、なるほどどれも面白く、これら文学理論を知ることでまた一層小説を楽しむこともできるのだという思いを持った。小説と映画はその表現形式こそは違うものの、似通っている部分は多々あり文学理論の応用の範囲内であろう。これらの新たな武器をもって、より一層映画解釈に臨んでいきたい。

解析入門Ⅰ

第一章を読みました。当然だけど細かいところを気にして読み進めたら予定よりも大幅に遅れてしまった。しかし前に読んだ時よりは理解力が上がっている気がする。さあ、どんどん進んでいこう。