No.3 用心棒 黒澤明

鑑賞終了。やはり三船敏郎はかっこいい。話の筋も分かりやすく、飽きさせない程度に笑いも入っているので、非常に観やすく時間を忘れて見入ってしまう。静と動がはっきりとしているというか、主人公が中心となって物語を静的にしっかりと進ませ(時に動的なものもあるが最後のシーンに比べると小さいもの)、最後の殺陣ーー動的なものーーが非常にくっきりと記憶に残るようになっている。主人公は流れの侍で、自ら争いの種をまいて、自分に用心棒としての値段を付けさせる。途中ある一家を救ったものの、基本的には善人などではない。しかしながら最後の殺陣のシーンで彼を応援しないものなどいないだろう。むしろ我々は主人公に対して絶対的な信頼ーー彼が死ぬわけがないーーを常に抱いており、応援するというところまで行かないかもしれない。どちらにせよ作中で大きな存在感を放つ主人公は三船に負うところが多いだろう。映画を見終わった後の爽快感もしっかりとあり、非常に高水準の映画であった。