視覚文化「超」講義 石岡良治著

映画理論の最先端として期待して買ったこの本であったが、正直なところ期待外れというほかがない。本人はうまくまとめたつもりだろうが、全5回の講義もまとまりがなく、論旨があちこちに飛んでいて非常に没入しにくい本であった。これは注釈の関係性の薄さも手伝っているとは思うが、もう少し構成や理論について理路整然とした文章を書くべきではないだろうか。ただ、すべて駄目だというわけでは無く、ところどころ現代の視覚文化を考察する上でのヒントになるような要素もないわけでは無かったが、やはりその頻度も少なく自分としては満足のいかない本となってしまっている。